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潔癖症のパン屋

パズル話には奇妙な癖を持った人物がよく登場する。どうもパズルの国には変わった人間が集まりやすいようだ。 今回登場するパン屋は、自分の店をこの国に構えてもう数十年になるが、やはり奇妙な癖の持ち主である。 彼は極度の潔癖症で、毎朝決まった時間に起きて決まった数のパンをきちんと焼かないと気が済まないのである。 そのパンのひとつひとつの形も、まるで型で押したかのように見事なまでに同じ形をしている。 その潔癖さはパン生地作りにおいても発揮されていて、使用する小麦粉をいちいち天秤で量るというのだからたいしたものである。

この潔癖症のパン屋が、小麦粉を 500g 量ろうとしてその量り方が分らず悩んでいる。 彼は小麦粉に不純物が混じるのを嫌って、小麦粉を天秤の皿に直接盛るのを良しとせず、専用の小鉢に入れて量るのだが、 この小鉢の重さを彼は知らないのだ。しかし手元には丁度 500g の重さの分銅ひとつしかない。これでは小鉢の重さを量る事はできない。 小麦粉を汚さずに正確に 500g 量るにはどうしたらよいか?

解答